検察への協力が勘案されなかったライブドア宮内被告の意外な実刑判決

執筆者:Foresight 2007年5月号
カテゴリ: 社会
エリア: アジア

 ライブドア事件で、東京地裁は元取締役宮内亮治被告を懲役一年八カ月の実刑とした。執行猶予が付くとの大方の予想を覆した判決が、検察側、弁護側双方に波紋を呼んでいる。 宮内被告は二〇〇六年一月の逮捕後から東京地検特捜部の調べに協力。裁判でも会計ルールの隙間を突いた錬金術の実態を明らかにし、検察側が「成長を続ける優良ベンチャーという印象を市場に植え付け投資家を欺いた重大犯罪」と位置付けた事件の構図を支えた。 宮内被告に対する検察の求刑は懲役二年六カ月。一方、徹底抗戦を続けた前社長堀江貴文被告には懲役四年を求めた。執行猶予は懲役三年以下の刑に付けられることから、「堀江は実刑、宮内は執行猶予」という検察側の意図が透けてみえた。

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