80時間世界一周 (33)

地震に襲われたソロモン諸島はマグロ・カツオ争奪戦の最前線

執筆者:竹田いさみ 2007年5月号
タグ: 中国 日本 台湾
エリア: オセアニア

 このほど地震と津波に見舞われた南太平洋のソロモン諸島は、世界でも有数のマグロとカツオの漁場だ。高級なマグロはそのまま空輸され、カツオはツナ缶として海を渡るといった具合に、日本人の食の一部は、この海域から持ち込まれている。そしていま、広大なソロモン海域を舞台に、マグロとカツオの争奪戦が繰り広げられようとしている。さしみ文化の日本が先行しているが、これに台湾と中国が参戦して、さながら魚戦争の様相を呈しているのだ。 日本からソロモン諸島の首都ホニアラまで、最短のフライトで十五時間ほどかかる。距離にして六千キロだが、直行便のフライトがないため、オーストラリアのブリスベン経由となる。成田空港から日本航空もしくはカンタス航空の夜行便でブリスベンに午前七時過ぎに到着、午前便のソロモン航空に接続する。定期便とはいえ毎日運行するわけではないので要注意だ。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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