段ボールの混ざった肉まんはテレビ局のやらせだったが、ブタの廃棄物でつくった肉まん、髪の毛を混ぜた偽しょうゆ、下水から抽出した油で揚げたパンなど「食の中国脅威論」が広がっている。米政府は中国製ペットフードや練り歯磨き、玩具が有毒原料を含んでいるとして使用しないよう消費者に警告。米国の有力大統領候補は競って対中禁輸論を唱えている。 一気に噴出した「食の安全」の問題は根深い。拝金主義に伴う製造業のモラル低下、業者とつるんだ幹部の腐敗、劣悪な衛生意識……。根源には、社会主義市場経済という壮大な矛盾がある。

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