少子化対策の主要な柱の一つが「働き方の見直し」だ。そこで最近、ワークライフバランス(WLB)という言葉が流行りつつある。訳すと、「仕事と生活の調和」だ。 WLBをめぐって、巷で耳にする通説が三つある。 第一の通説……WLBは、企業にメリットが少ない。 第二の通説……WLBは、子育てしていない従業員には、メリットがない。 第三の通説……WLBは、中小企業だと導入しにくい。 筆者はこれまで、WLBやダイバーシティ(性別・年齢・国籍などの異なる属性や異なる発想・価値を認め、それらを活かし、利益拡大を狙う経営戦略)に関して先進的な取り組みを行なっている国内外の企業、約四百社(以下、WLB先進企業と呼ぶ)の経営者、人事労務管理担当者へのヒアリングを実施してきた。

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