ブックハンティング・クラシックス
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「知日派」に影響を与え続けるライシャワー博士の日本観
『ザ・ジャパニーズ』エドウィン・O・ライシャワー著/國弘正雄訳文藝春秋 1979年刊(現在は古書としてのみ入手可能) ライシャワー博士の『ザ・ジャパニーズ』の國弘正雄氏による翻訳は、一ページ、二十六字掛ける二十二行、二段組みで、四百三十余ページに及ぶ大著である。 その分量だけから言っても、この書は、生涯を日本研究と日米関係に捧げられたライシャワー博士の畢生の大作であり、日本研究の古典として扱われてしかるべき本である。 ところが、私は今回改めてこの本に接するまで、その存在も知らなかった。 その理由の一つとして、この本が出版された一九七九年が、激動の年であったという背景がある。

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