バラク・フセイン・オバマ・ジュニアとは一体、何か。十一月四日の大統領選で民主党候補になることが確定した四十六歳(当選すれば来年一月二十日の大統領就任時には四十七歳)のこの人物をめぐり、すべてのアメリカ人が自問自答している。オバマは黒人なのだろうか。ハワイで生れたオバマには大統領になる資格はあるが、そもそも彼はアメリカ人なのだろうか、それともよそ者なのか、と。 アメリカで人種問題として議論するときの定義は、黒人とは奴隷としてアフリカからアメリカへ連れてこられた人たちの子孫、ということである。オバマ・ジュニアの場合は奴隷の子孫ではないし、母親は白人だ。したがって黒人なのか、それともハーフ、あるいはミックス、一体、どう定義するのが正しいのかと自問自答しているのである。それによって大統領選の帰趨が決まる。決して、どうでもいいなどということではないのだ。
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