ようやく緒についた金融機関の「暴力団排除」

執筆者:鷲尾香一 2008年7月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

暴力団の手先企業についてのデータベースをひとつにまとめれば、たしかに有効だろう。だが何事も「魂」が入らなければ――。「銀行の担当者から突然、『これ以上は融資を継続できない』と言われた。運転資金が調達できなくなれば会社を閉めるしかない」 東京・渋谷区でIT(情報技術)関連のベンチャー企業を経営する三十代の男性は、そう言って唇を噛み締めた。「暴力団と何らかの関係がある企業ではないかと疑われたようだ」 金融機関が「疑わしい企業」への融資を一斉に絞っている。きっかけは一年前に政府がまとめた「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」。これまで暴力団対策で強調されてきたのは「不当要求の拒絶」だったが、自分のところから追い払うだけでは根本的な対策にはならず、また、不当でない(自社に有利な)取引についても機能しない。そこで指針は「一切の関係遮断」を求め、社会全体から暴力団を排除することを狙ったのだ。

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執筆者プロフィール
鷲尾香一 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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