ブックハンティング・クラシックス (44)

憲法に込められた「人間観」がアメリカの政治制度を支える

『ザ・フェデラリスト』A・ハミルトン、J・ジェイ、J・マディソン著/斎藤眞・武則忠見訳福村出版 1998年刊(原書は1788年刊。全85篇のうち31篇を抜粋した斎藤眞・中野勝郎訳の岩波文庫版もある。なお本稿中の一部の引用は評者要約) 欧州連合(EU)の憲法案であるリスボン条約がアイルランド国民投票で六月に否決されてひと月ほどして、ダブリンを訪れる機会があった。乗り合わせたタクシーの中年運転手に尋ねると、否決は当然とでもいわんばかりだ。「考えてみろよ。この国は独立してまだ七十年だよ。それなのにもう、俺たちアイルランド人自身が決めるべきことを今度は(EUの本部がある)ブリュッセルの官僚どもが奪ってしまおうというんだから……」

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
会田弘継 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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