就任後百日の実力テストを切り抜けたオバマ米大統領は、金融危機対策を最大課題に掲げながら、公約していた外交の変革にも精力的だ。 プラハでは「核のない世界」を訴えてロシアとの新しい核軍縮交渉に着手。拷問が問題になったキューバ・グアンタナモ米軍基地のテロ容疑者収容施設を閉鎖し、イスラム世界との対話に乗り出した。軍縮、環境、人権、国連の重視や国防予算削減が外交の新基軸だ。 大統領は欧州各地を訪れた際、「米国は変わった」と一極主義のブッシュ外交からの決別をアピール。これに対し、ブッシュ前政権の重鎮チェイニー前副大統領は「米国はより危険になった」と異例の批判をしており、保守派の巻き返しも予想される。

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