【インタビュー】ティモシー・ガートン・アッシュ(英オックスフォード大学教授) 「一九八九年の産物」である現代社会はどこへ向かうのか

東西冷戦が終わった時、アメリカは戦勝気分に包まれ、「唯一の超大国」の地位に酔いしれた。しかし、冷戦後の新秩序は築かれず、世界はほどなく、故サミュエル・ハンチントン米ハーバード大学教授の言う「文明の衝突」に直面した。この二十年の経験から、私達は何を学ぶべきか。果たしてポスト「冷戦後の世界」を切り開くことはできるのか。[ワシントン発]一九八九年十一月九日、世界を米ソ二つの陣営に分断していた東西冷戦の象徴であったドイツ・ベルリンの壁が崩された。 自由を求めて西側になだれ込んだ東ドイツの人々と、大歓声でこれを迎えた西ドイツの人々は共に壁によじ登り、手にしたハンマーで、二十八年もの間、両者を隔ててきた分厚いコンクリートの壁を打ち破った。世界が息を呑んでテレビ中継を見守るなか、歴史の一ページがめくられた瞬間だった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
草生亜紀子(くさおいあきこ) 翻訳・文筆業。NGO職員。産経新聞、The Japan Times記者を経て、新潮社入社。『フォーサイト』『考える人』編集部などを経て、現職。
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