「プレステ2回収事件」に覗くハリウッド流ビジネスの“真髄”

執筆者:Foresight 2000年4月号
タグ: 日本
エリア: アジア

 三月十一日未明からインターネット上のある掲示板に次のような書き込みが相次いだ。
「プレイステーション2でアメリカのDVDソフトが見られるって本当ですか?」「できましたよ。『マトリックス』の米国版で」

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が三月四日に発売したゲーム機「プレイステーション2」(PS2)で、本来なら観られないはずの海外製DVDが再生できてしまう。ユーザーは「すばらしい裏技」と歓迎するが、事態はそんな単純ではない。

 SCEは三月二十九日、出荷済みの百二十五万台について、DVD再生に必要なCD-ROMの回収・交換を発表、四月一日から郵送やコンビニエンスストアで受付を始めた。安価なCD-ROMでも百二十五万本となれば、製造費やコンビニへの回収委託費もバカにならない。十億単位の出費を覚悟の決断だった。

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