イラクでの査察が開始され、大量の申告書が国連に運び込まれた。その結果、イラク情勢は今のところ、書類の精査と今後の査察の成り行きに注目せざるをえないという局面が続いている。依然として、イラクに対する戦争の現実味が突然高まることはありうる。 このような中、北朝鮮は、十二月号で懸念したような危険な瀬戸際戦略への道を歩み始めた。枠組み合意に基づく重油の提供が見込めない中、寧辺の核施設を再稼働させると通知、IAEA(国際原子力機関)による封印や監視カメラを撤去し、査察官を追放した。昨年末から年始にかけての国際論壇の多くは、このような北朝鮮問題に関心が集中した。テロとの戦争を続けるなかで、イラクと北朝鮮という二つの重大問題に直面した世界は、近年になく複雑さに取り囲まれた新年となった。
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