「『近代の超克』は、いわば日本近代史のアポリアの凝縮であった」(竹内好『近代の超克』) * 元旦に届けられた新聞各紙のページを繰っていて、最も心に残ったのは「日産元社長の石原俊氏死去、九十一歳」という、日本経済新聞に掲載された一面のベタ記事だった。 ベタ記事にニュースあり。石原死去の記事は、元旦向けに「作られたニュース」の傍らで、人間の生と死を刻むドラマは正月も間違いなく進行していることを教えてくれた。そして、石原の死は見事に日本企業の転機を象徴している。 元旦早々から各種メディアに登場して、企業に留まらず日本システムそのものの改造にまでアドバイスするカルロス・ゴーン。彼はいまやスーパースターである。

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