会社を設立して、そろそろ四年が経とうとしている。二〇〇〇年をピークにITバブルがはじけ、経済全体もデフレ不況から抜け出すだろうと読み、製造業や流通業などの古参企業を応援する仕事を目指した。 時代の最先端であったIT企業の経営ノウハウを古い体質の企業に適用してもらうことで、体質改善による業績向上が可能だと考えたのだ。対象となる企業の株式を事前に取得しておけば、コンサルティングの結果に対して責任を持つこともできるし、収益も見込めると期待した。 これはプライベート・エクイティの一種なのだが、当時の日本はその言葉になじみがなく、「自己責任型コンサルティング・ファーム」と呼んでみたりした。ところが最近では企業再生ファンドが大はやり。国の内外の金融機関が殺到している。しまいには日本国まで産業再生機構などというビジネスをはじめてしまった。

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