饗宴外交の舞台裏 (161)

比大統領を迎えた野田首相初めてのもてなし

執筆者:西川恵 2011年10月12日
エリア: アジア
中国の海洋進出を牽制(c)時事
中国の海洋進出を牽制(c)時事

 野田佳彦首相が初めて迎えた外国首脳はフィリピンのベニグノ・アキノ大統領だった。  大統領は9月25日から28日まで日本に滞在し、この間、震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市を視察、在日フィリピン人と面会し、天皇陛下主催の昼食会にのぞむなど精力的に日程をこなした。  野田首相との会談は27日夕、首相官邸で行なわれた。両国は政治、安全保障分野などで「戦略的パートナーシップ」の強化を目指す共同声明を発表。中国の海洋進出を念頭において、海上安全確保を「共通の戦略的利益」と位置づけ、海上保安庁によるフィリピン沿岸警備隊の能力向上支援や、防衛当局間の交流促進を盛り込んだ。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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