TPP、FTA、EPA、APEC……。英字の略語が飛び交う報道は、もういい加減に勘弁してほしい。そう感じている読者は多いのではないだろうか。通商問題の報道は、まるで横文字の専門用語の吹き溜まりのようだ。TPPをめぐる論争が永田町と霞が関で過熱する一方で、その本質を理解している者は、一般国民に限らず政治家や官僚にも多くはないだろう。
TPPとはTrans–Pacific Partnershipの略。日本のマスコミ報道では「環太平洋経済連携協定」などと訳している。太平洋を取り囲む国々で自由貿易の仲間を作り、経済で緊密な提携関係を築こうという構想である。現在の推進役は米国のオバマ政権だ。
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