アフリカで停電ばかり体験した私が、日本の停電で考えたこと

執筆者:白戸圭一 2011年4月7日
タグ: 日本
エリア: アフリカ アジア

 2006年10月初旬のこと。当時、南アフリカ共和国に住んでいた私は季節外れの休暇を取得し、東アフリカのケニアを家族で旅行していました。
ある日、ケニア南東部の湖のほとりにあるホテルに宿泊することになりました。午後6時半ごろ、ホテルに到着してみると、館内は真っ暗です。よく考えてみると、道中の幹線道路の街頭も全て消えていたのを思い出しました。一帯は停電でした。

 チェックイン時にろうそくをもらい、部屋に荷物を置き、腹ぺこの私たちはホテル内のレストランへ直行しました。中には10組ほどの白人、黒人の客がおり、皆、ろうそくのほの明かりの下でにこやかに食前酒を楽しんでいました。アフリカ各地で停電ばかり体験している私から話を聞いていたせいか、妻と2人の子供も特段、暗闇を気にすることなく、早速ガツガツと食事を始めました。

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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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