4年に1度、台湾全土がお祭り騒ぎになる台湾総統選挙が半年後に迫っている。国民党の現職・馬英九総統に挑むのは、民進党のニューリーダー、蔡英文党主席。2人の名前にはくしくも共に「英」の文字が入る。この「英」は一族の世代間で共有される輩行字にあたり、中華世界では重要な意味を持つ。メディアは「双英対決(ダブル英の戦い)」と今回の総統選を命名した。 「双英対決」の命名には単なる名前の問題だけではなく、2人の共通点に対する世間の暗喩も込められている。 馬英九と蔡英文は台湾の戦後教育において、それぞれの名前通りの「俊英」、つまり超エリートとして育てられてきた。そして、性格、経歴、リーダーシップの手法など多くの面で2人はよく似ている。その意味で、今回の総統選は「ダブル英」による「似たもの同士の戦い」と位置づけられているのだ。

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