韓国大統領選へ動き出した「潜龍」たち

執筆者:平井久志 2011年6月28日
エリア: アジア

 韓国では大統領を「龍」にたとえることが多い。権力が大統領に集中しておりその権力は「大権」といわれ、大統領を目指す政治家のレースを「大権レース」と呼ぶ。さらにその「大権レース」に参加している大統領を目指す政治家を「潜龍」と呼ぶ。「潜龍」とはまだ天を飛ばず水に潜んでいる龍で、王になっていない者を指す。
 日本では近年、北朝鮮情勢への関心の高まりのためか韓国政界の動きがあまり報じられないが、北朝鮮との南北関係にも大きな影響を与える韓国大権レースの状況と、どのような「潜龍」たちが「大権」を狙っているのか、韓国政治の現状を報告する。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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