C・V・クラウゼヴィッツの『戦争論』は、戦争の正当性を言い、「戦争を仕掛けることの後ろめたさ」を「政治の延長である戦争」という概念で払拭して、戦争好きの為政者を後押しした。アメリカ合衆国は、その建国にあたって、「マニフェスト・デステニィー」、すなわち「この大陸は神が我々に与え給うた大地」であることを宣し、先住民殺戮の正当性を謳った。それらは、テロや暴力まがいのデモンストレーションを正当化した「活動家好みの理屈」に似ている。日本では、これを「盗人にも三分の理」と言い、不法侵入してきた犯人に熨斗を付けて返すのは、「盗人に追い銭」と言う。

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