3.11から1年半以上過ぎても、私たちは福島原発事故の「骨格」も「筋道」も、肝心なことは何一つ知らない。 予想を超える大津波が来て、全電源を失い、炉心の核燃料を冷却できず、炉心は溶融落下し、原子炉は次々水素爆発を起こした……。なんてことは事故の骨格でも筋道でも何でもない。過酷事故を招いた当事者たちが、責任逃れのために都合よくつくりあげた「筋書き」でしかない。科学的根拠はゼロで、事実は何ら検証されていない。 あの程度の大津波の襲来は地質学者がちゃんと予想していて、東京電力も経済産業省も熟知していたのに、備えを怠っていただけである。予想外でも想定外でもない。 津波の前に地震の一撃で電源の一部はすでに失われていたことも判明している。電源がなくても働く冷却システムを備えていたのに、それはなぜかまともに機能しなかった。運転員の操作ミスを指摘する調査報告もある。

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