十九世紀後半、ダーウィンの生物進化論に代表される「近代知」の発展とキリスト教信仰の間に齟齬が生じ出すと、近代に寄り添うように自由主義神学(リベラリズム)が生まれた。 聖書は科学ではない、イエスの復活の奇跡は喩えであるとして、近代におけるキリスト教の生き残りを図る。これに対し、聖書を字義通り信じることを信仰の核とする伝統主義神学の側から強い反発が起き、自由主義神学(モダニズムとも呼ばれた)への抵抗がじわじわと広がった。それ以前から大衆レベルで起きていた、終末論に彩られる新たな信仰復活運動も背景にあった。

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