人事も政策も壟断した“大型次官”がようやく職を解かれた防衛省。なおも居座りたいご当人には、別にうってつけの役割がある。 四年を超えて防衛事務次官を務めた守屋武昌氏は、日本官僚史に残る人物になった。小池百合子前防衛相の退任要請に公然と逆らい、安倍晋三首相の意向を聞いて退任を受け入れてからも、内閣改造による大臣交代の間隙をついて常任顧問として留まって院政を狙う。政治家も顔負けの官僚だった。 守屋路線は“長期政権”に常に伴う独裁化の結果、政策面でも問題があった。高村正彦防衛相、増田好平次官がとるべき道は明確。守屋路線の否定である。したがって守屋氏の人物像を明らかにすれば、新生防衛省の課題が見えてくる。

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