「東洋のベニス」とは、つとに知られた中国蘇州の別称だが、最近やたら耳にするのが「東洋のパリ」だ。小さな運河が縦横に走る水郷地帯の蘇州は、十三世紀に訪れたマルコ・ポーロが「東洋のベニス」と称して以来、世界的に認知されるようになった。では「東洋のパリ」とはいかなる場所であろうか。 旧フランス租界の並木道が美しい上海? かつてのフランス植民地として食文化の伝統が息づくベトナムのホーチミン(旧サイゴン)? はたまた、フランスやイタリアのブランド店が所狭しとひしめくシンガポールか。答えはいずれも「ノン」。正解はなんとマレーシアの首都クアラルンプールである。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン