[ワシントン発]アメリカのメディアは当初、安倍晋三氏に代わる総理に福田康夫氏が選ばれたというニュースに戸惑った。朝日新聞に倣い、安倍内閣が国家主義的にすぎると批判してきた『ニューヨーク・タイムズ』や『ボストン・グローブ』などのリベラルな新聞は、安倍内閣の支持率が落ちると、問題はその外交姿勢にあったと仄めかした。実際には、閣僚のスキャンダルや年金危機、経済政策を説明する能力の欠如こそが問題だったにもかかわらず。 こうした誤解ゆえに、米メディアは最初、タカ派の安倍内閣の外交路線を修正するために「中国寄りのハト派」である福田氏が選ばれたという解釈をした。

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