なぜあれほどまでの接待攻勢をかけたか。外部からは見えにくい「利権の秩序」に食い込むには、生半可なやり方では通じなかったのだ。 宮崎元伸・日本ミライズ社長(六九)が持つ「私用」と「公用」の二つの携帯電話は、マスコミからの問い合わせと取材依頼で鳴りっ放しだった。 十月二十九日に行なわれた守屋武昌・前防衛事務次官(六三)の証人喚問の数日前、宮崎の心中を知ろうと取材した時のことである。筆者は宮崎と二人で遅い夕食を取っていた。 宮崎は必ず電話に出た。長話はしないが、聞かれたことには丁寧に答える。対応は終始穏やかだった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン