インテリジェンス・ナウ
W杯でロシアとカタールが取引:注目されるプーチン氏の関与
スポーツ界を揺るがした国際サッカー連盟(FIFA)汚職事件。ワールドカップ(W杯)開催決定をめぐる不正追及は、実は米連邦捜査局(FBI)だけでなく、FIFAの倫理委員会の調査担当を務めていたマイケル・ガルシア氏(元ニューヨーク連邦地検検事)、さらに英議会の調査で秘密情報局(MI6)の元工作員が関与するなど、複数の組織が関与していたことが分かった。米国の元FIFA理事チャック・ブレーザー被告(70)はFBIの捜査で、情報提供者として協力し、オトリ捜査で盗聴までしていた。
最大の関心の的は、2018年ロシア、2022年カタールに決まった2010年FIFA理事会に向けたW杯招致疑惑。特に、カタール、ロシア両国の招致活動の実態解明で、両国が相互に協力し合った疑惑が浮上した。
2010年のロシア大会招致活動ではプーチン大統領(当時首相)自らが陣頭指揮に当たり、重要な役割を演じたことも分かり、注目を集めている。両大会決定の秘密が暴かれ、1980年モスクワ五輪ボイコットの再現といった事態が起き得るのだろうか。

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