ギリシャの「チェ・ゲバラ」とも、「チャベス」とも呼ばれるアレクシス・チプラス首相。思想的には、明らかに欧州連合(EU)より、ロシアに近い。
多数の旧共産党員らを抱える与党「急進左派連合」。2年前このグループは北大西洋条約機構(NATO)脱退を主張していたが、それ以後NATOへの敵対姿勢をトーンダウンして、現実的側面も見せている。
当面ギリシャは、財政破綻とユーロ圏離脱の危機を回避したが、前途はなお多難だ。
かつて「NATOの柔らかい脇腹」などと呼ばれたギリシャは、西側の前線に位置し、東西冷戦時代から東西の情報機関が相まみえる現場となってきた。
現在は、金融支援をめぐる厳しい交渉の裏で、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の対外部門を引き継いだロシア対外情報局(SVR)やロシア軍参謀本部情報総局(GRU)がギリシャでの活動を増強していると伝えられる。プーチン大統領は一体、何を狙っているのだろうか。
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