9月29日、インドネシア政府は高速鉄道建設において日本ではなく中国を選択した。早速、菅義偉官房長官は「遺憾の意」を表明したが、いったい何がどう「遺憾」なのか、さっぱり分からない。インドネシアを舞台にした高速鉄道発注競争において、とどのつまり日本は敗北したということだろう。
思えば4カ月ほど遡った5月27日、日本はタイ(首都バンコク=チェンマイ路線)における高速鉄道建設計画を、日本の新幹線方式導入を前提に調査を進めるとの覚書に調印している。かくて世界規模で繰り広げられている高速鉄道発注競争は、日中共に1勝1敗ということになる。

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