年の瀬である。「たまには」と思って、週末に封切りしたばかりの『007/スペクター』(ソニー・ピクチャーズ)を見てきた。
いちおうのお作法として、ネタバレのない程度に感想をかるく述べておく。前作『スカイフォール』もそうだったが、ダニエル・クレイグ主演のジェームズ・ボンドは、本人の生い立ちや職場環境(もちろんMI6のことだ)が細かく描かれていて、キャラが立体的に見える。このことが物語に奥行きを与えていて、シリーズの中でも「当たり」に属する方ではないかと思う。これに比べると、昔のショーン・コネリーはやたらと強いばっかりだったし、ロジャー・ムーアはまるで漫画の主人公のようであった。6代目ボンドのダニエル・クレイグ、なかなかいいですよ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン