台湾の台南でビル倒壊を引き起こした地震には、いまだ解明されていない謎がある。それは、なぜ、隣の市である高雄市で発生した地震なのに、台南に被害が集中したのかという問題だ。いま台湾では、その原因について、高雄と台南の「双子地震」であった可能性を疑う声が地震の専門家の間から上がっている。
「余震」ではない「双子地震」
地震発生後、台南市では複数のビルが倒壊し、特に永康地区にある「維冠金龍大楼」は、大型の14階建て集合住宅の9棟が一気になぎ倒され、住民100人以上が生き埋めになるという甚大な被害を起こした。すでに捜索活動は終了しており、死者は114人に達した。ほかの場所での死者2人をあわせて、今回の台湾での地震による死者は計116人となった。

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