イギリスは大陸ヨーロッパからはしばしば「不実のアルビオン」と揶揄される。アルビオンとは、ブリテン島に進軍したシーザーが白亜の岸壁を見て、「白い国」と呼んだことからきているといわれる。ラテン語のalbus(アルビュス)は「白い」という意味だ。イギリスの呼名である。
ただし、外交的な意味ではイギリス外交の狡猾さと巧みさを表現したものである。ヨーロッパ大陸から一歩引いて「孤立主義」の名のもとに日ごろは無関心を装いつつ、大陸で国益に関わる場合には巧みに介入する。ある種のイギリス外交のご都合主義を皮肉を交えて表現したものである。

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