エルドアン大統領の「ローザンヌ条約否定」発言が不穏な理由

執筆者:池内恵 2016年11月9日
エリア: 中東
オスマン帝国への郷愁か? 不穏な発言を繰り返すトルコのエルドアン大統領 (C)AFP=時事

 昨日は「中東通信」でギリシア・テッサロニキ(旧サロニカ)ートルコ・イズミル(旧スミルナ)間をつなぐフェリー航路の開設の話題を紹介した。これはオスマン帝国崩壊・トルコ共和国設立の過程で行われたギリシア人・トルコ人の「住民交換」にさかのぼる話だったが、今年は中東の国際秩序の根本を疑うような動きや発言が絶えない。

ローザンヌ条約(1923)がトルコと中東国際秩序の礎

 拙著『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』(新潮選書)を書いたのも、まさにこの国際秩序の根本が揺らぎ、問い直される時期に来たという認識からである。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター、グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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