
就任からわずか1年で辞任することになった岡部俊哉陸上幕僚長 (C)時事
陸海空自衛隊には、それぞれの戦い方、装備によって個性的文化が育ち、それは国際的な共通認識でさえある。陸上自衛隊(以下「陸自」)は、歩兵を主力に陸上戦闘を専らとする特徴から、「用意周到動脈硬化」と言われる(2016年9月27日「南スーダン『駆けつけ警護』と陸上自衛隊の文化」参照)。
陸自では、諸計画を「用意周到」に作成し、日々、毎時、毎分にいたるまで任務遂行に万全を期して、命令が末端の隊員まで厳しく徹底され、個人の勝手な判断と行動が戒められている。他方、緻密で用意周到な計画に基づく任務付与は、想定外の状況変化に遭遇した場合、「とっさの適応が苦手」という「動脈硬化」を起こし易い。

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