陸自「日報問題」決定版:「隠蔽」より「法令遵守」を問え

執筆者:伊藤俊幸 2017年8月17日
エリア: アジア
7月28日、特別防衛監察の結果を発表、併せて自らの辞任を表明した稲田朋美防衛相(当時) (C)時事

 

 昨年から続く、南スーダンPKO(国連平和維持活動)部隊の日報問題。7月27日の特別防衛監察の結果を受け、稲田朋美防衛大臣と岡部俊哉陸上幕僚長が辞任、黒江哲郎事務次官は更迭と、人事面では大きな動きがあったが、8月10日には国会で閉会中審査が行われるなど、一向に火の手が収まる気配はない。

 ただ筆者から見ると、今の議論は、事の本質からずれているような気がしてならない。当初は、PKO部隊の日報に「戦闘」という表記があったのかどうか、それがPKO参加5原則に反しているかどうかが焦点だった。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
伊藤俊幸(いとうとしゆき) 元海将、金沢工業大学虎ノ門大学院教授、日本戦略研究フォーラム政策提言委員、日本安全保障・危機管理学会理事。1958年生まれ。防衛大学校機械工学科卒業、筑波大学大学院地域研究科修了。潜水艦はやしお艦長、在米国防衛駐在官、第二潜水隊司令、海幕広報室長、海幕情報課長、情報本部情報官、海幕指揮通信情報部長、第二術科学校長、統合幕僚学校長を経て、海上自衛隊呉地方総監を最後に2015年8月退官。
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