「藩札」とは、藩内で通用する通貨として、藩が発行した紙幣のことだ。
その多くは、幕府の正貨(金・銀・銅貨)と交換可能として、価値を保証していた。つまり、兌換紙幣だった。藩札には、交換対象となる物とその量が明示されていた。
最初の藩札は、越前福井藩が1661年に発行した銀札であると言われる。初期には藩が藩札会所を設けて発行していたが、のちには、富裕な商人が札元となって発行を行い、その信用によって藩札が流通した場合もあった。
幕府が容認したので、8割近い藩で発行されていた。西日本において特に盛んであり、銀との兌換券である銀札が多かった。藩を超えて流通していた場合も少なくなかった。
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