ジャーナリズム学部の主任教授マーフィー先生に挨拶に行った。日本の大学教授と同じような小部屋に書棚を置いた研究室だが先生は簡単な説明のあと、もっぱら日本の話をした。先日通信販売でノリタケのティーセットを買ったが実に見事な品だ。「戦後15年、日本はよく立ち直った」とベタ褒めだった。「陶器以外にももっといろんな品を造っていますがね」と言いかけて私は黙っていた。
留学生担当の教授は「あなたの英語力なら不要だと思うが、一応初歩英会話の時間に出てもらいます」と言った。その教授が別れ際に「I will see you later」と言ったので私は思わず「何時のディナーですか?」と問いそうになった。丁寧すぎる言葉遣いをする人は日本にもアメリカにもいた。

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