テロリストの誕生(番外編)(中)「ジハード主義」との決別

執筆者:国末憲人 2018年1月8日
エリア: ヨーロッパ
弟シェリフ(左)、兄サイードのクアシ兄弟(C)AFP=時事

 

 シェリフ・クアシは、2003年夏にファリッド・ベニエトゥーのもとに通った後、いったん姿を消した。酒と麻薬と女に溺れ、信仰を捨てたのである。しかし、改心したシェリフは、翌年秋から、再びファリッドのもとを訪れるようになった。

ユダヤ人商店襲撃計画

 シェリフは、イスラム教について何ら知識を持っておらず、信者としては初心者に過ぎなかった。一方で、自堕落な状態から逃れようともがくシェリフの姿に、ファリッドは好印象を抱いた。厳格さを追い求めたかつての自分の姿に重ね見たのである。

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執筆者プロフィール
国末憲人 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員を経て、現在はGLOBE編集長、青山学院大学仏文科非常勤講師。著書に『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)など。
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