この数年の中国経済の振幅は激しかった。成長率低下と外貨準備高減少に苦しんだかと思えば、昨年は成長率が6.9%と7年ぶりに前年比で上昇し、外貨準備も1294億ドル増加した。一見、明るい材料にも見えるが、財政支出の増加と資本規制の強化でもたらされた見せかけの“好転”に過ぎない。アクセルとブレーキを細かく踏み換える中国的経済運営の典型だが、多くの専門家が指摘するように、中央と地方の政府債務や国有企業の借金、銀行の不良債権の膨張は加速している。その様子は、酔客が景気よく大声をあげ、乾杯を繰り返しながら白酒(バイジュウ)の空瓶が卓上に積み上がっていく中国の宴会さながらだ。中国の“白酒経済”の宴がお開きになるのは、今年かもしれない。だが、誰が支払いの“伝票”を採り上げるのだろうか。
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