『ギリシア人の物語Ⅲ 新しき力』刊行記念特集
塩野七生インタビュー(前編) 

2018年2月1日
エリア: ヨーロッパ アジア
塩野七生さん (C)新潮社

 

私は2500年を生きた

――塩野さんが書いた文章がはじめて雑誌「中央公論」に掲載されたのが1968年。来年でデビュー50年ということになります。今日はこの間のことをいろいろとお聞かせいただければと思っています。私がはじめて塩野さんと仕事をしたのは28歳のとき、35年前ということになります。
塩野 聞き手があなたでなければ言葉を選ぶところですが、今日はちょっとしゃべりすぎちゃうかもね。それにしても35年ですか。ずいぶんうまいこと続いたわね。喧嘩もせずに。
――どうしてでしょうね。私も至らないことがずいぶんありましたが。
塩野 私が外国にいたからよ。あんまり会わなかったっていうだけ(笑)。喧嘩もせず、非常にいい距離感で仕事をしながら、この35年を過ごしてきたわけです。
――歴史エッセイ、つまり塩野さんの定義するところの「調べて、考えて、歴史を再構築する作品」としては最後と決めてお書きになりました。
塩野 そう。これでおしまい。作家生命の終わりってわけ(笑)。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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