米朝首脳会談「中止」の衝撃(2)北朝鮮「5月16日」の豹変

執筆者:平井久志 2018年5月25日
エリア: 北米 アジア
「リビア方式」を主張するボルトン米大統領補佐官だったが (C)EPA=時事

 

 米朝首脳会談をめぐる動きは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が5月9日に訪朝したマイク・ポンペオ米国務長官と平壌で会談した時点までは、基本的な対立を抱えながらも会談を成功させよう、という双方の努力が見えた。

 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は5月10日付記事で、「金正恩委員長は、トランプ大統領の口頭メッセージを聞き、大統領が対話を通じた問題の解決に深い関心を持っていることについて高く評価し、謝意を表した」と報じた。北朝鮮が自国民に米朝首脳会談開催を準備していることを、初めて明らかにした。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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