検証「米朝首脳会談」(4)脚本「中国」主演「米朝」

執筆者:平井久志 2018年6月19日
首脳会談後のトランプ大統領の記者会見は1時間に及んだが、その内容は驚くべきものだった (C)EPA=時事

 

 ドナルド・トランプ米大統領の、米朝首脳会談後の会見で最も内外を驚かせたのは、共同声明には書かれていない米韓合同軍事演習の中止や、将来的な在韓米軍の削減に言及したことだった。

「米韓合同軍事演習の中止」を明言

 トランプ大統領は「(米韓合同)軍事演習は中止する。多額の費用を節約できるし、演習は挑発的だからだ」と明言した。その背景については「(米韓合同軍事演習には)途方もない費用がかかる。戦略爆撃機派遣は金がかかり、もともと好きではなかった。非常に挑発的だ。包括的で完全な取引を交渉している状況で演習を行うのは不適切だ。第1として多くのコストを削減し、第2に北朝鮮側がとても感謝すると思う」と語り、中止の理由として演習にかかる費用を上げ、次に北朝鮮側の要求であることを認めた。トランプ大統領の大統領選挙当時からの持論である経費削減が、北朝鮮側の要求と合致したようだ。「アメリカファースト」の立場からは、同盟重視よりは経費重視が優先課題になるということのようだ。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
クローズアップ
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
クローズアップ
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 最新コメント
  • 最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順
back to top