【特別対談】池内恵×岩瀬昇:中東「いまを知る」決定版(3)

執筆者:池内恵
執筆者:岩瀬昇
ムハンマド皇太子が「国王」になった後、サウジはどう変わるのか(C)EPA=時事

 

岩瀬昇 1979年以前、果たして本当にサウジアラビア(以下、サウジ)は、開かれた寛容なイスラームだったのだろうか。そんなことは全然ないのではないか、と思います。イスラームの教えが生活そのものであるという中で何十年あるいは何百年と生きてきているわけですから、その人たちが昔より今のほうがより厳しくなっている、と感じることなど全然ないのではないか、という気がしています。

池内恵 1979年という年は、イラン革命だけではなく、メッカで発生したアル・ハラーム・モスク占拠事件によって、画期になっています。もともとサウジ社会全体に厳格な思想はあるわけですが、この事件で顕在化した保守的な勢力に対抗するために、サウド家の王政の側がさらに厳格な政策を競ったというところはあると思います。

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執筆者プロフィール
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同) がある。
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