「君主号」の世界史
「君主号」の世界史(11)

清朝の形成と「皇帝」号

執筆者:岡本隆司 2018年8月18日
ル・コントの著書Nouveaux memoires sur l’état présent de la Chine(1696年)に載った康熙帝の肖像

 

 明朝辺境の内外を問わない「華」「夷」一体のコミュニティは、単なる武装商業集団にとどまらない。それが一大勢力となって、やがて政権を樹立する場合もあった。それが次代の歴史を動かす原動力になる。

 海上・海岸線でいえば、鄭氏政権がアモイ・台湾に勢力を張った。日本でも「国性爺合戦」の戯曲でおなじみの鄭成功とその子孫である。かれらは当初、日中またにかけた海商・海賊集団、鄭成功自身も日中の混血だったから、いわゆる「倭寇」のなれの果てだといってよい。

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執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
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