明朝辺境の内外を問わない「華」「夷」一体のコミュニティは、単なる武装商業集団にとどまらない。それが一大勢力となって、やがて政権を樹立する場合もあった。それが次代の歴史を動かす原動力になる。
海上・海岸線でいえば、鄭氏政権がアモイ・台湾に勢力を張った。日本でも「国性爺合戦」の戯曲でおなじみの鄭成功とその子孫である。かれらは当初、日中またにかけた海商・海賊集団、鄭成功自身も日中の混血だったから、いわゆる「倭寇」のなれの果てだといってよい。
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