饗宴外交の舞台裏 (244)

ホワイトハウス「儀典長」の心を打った「両陛下の品格」

執筆者:西川恵 2018年9月12日
タグ: アメリカ 日本
エリア: 北米 中東 アジア
1987年、ホワイトハウスで開かれたレーガン米大統領夫妻主催の晩さん会で、大統領夫妻の出迎えを受けられた明仁皇太子、美智子妃(当時) (C)時事
 

 今もかくしゃくとした89歳のセルワ・ルーズベルトさんは約30年前、当時のレーガン米大統領夫妻の下で、7年近くホワイトハウスの儀典長を務めた。儀典長では、今もって最長記録である。この間、お世話した外国の賓客はざっと1000人に上り、まだ皇太子、皇太子妃だった今上天皇、皇后も含まれる。「君主の中で私は両陛下に深い尊敬を抱いています」という彼女が見た、あまり知られていない両陛下の様子をお伝えしよう。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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