「君主号」の世界史
「君主号」の世界史 (16)

皇帝の併存

執筆者:岡本隆司 2018年10月27日
エリア: ヨーロッパ
フランク人の王カールがローマ皇帝に即位したことから、西欧世界が形づくられていった

 

 西暦800年のクリスマスの日、フランク人・ランゴバルド人の王(rex Francorum et Langobardorum)カールは、ローマのサン・ピエトロ大聖堂で、教皇レオ3世から戴冠を受け、ローマ皇帝の位に即いた。カールは以後、カール大帝・シャルルマーニュといわれ、また「ヨーロッパの父」とも称せられる。

西欧の成立

 フランク族はライン川を越え、ガリア北部から西方・南方に勢力を拡大した。地中海世界からみれば、最も辺縁遠隔の地から、次第に近づいてきた恰好になる。また他の多くのゲルマン系移民集団とは異なって、異端と認定されたアリウス派を信奉しなかった。そのためローマ教会の「蛮族」に対する伝道活動の進展とあいまって、提携する方向がさだまってきた。

カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
岡本隆司 京都府立大学文学部教授。1965年、京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は近代アジア史。2000年に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会)で大平正芳記念賞、2005年に『属国と自主のあいだ 近代清韓関係と東アジアの命運』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞(政治・経済部門)、2017年に『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』で樫山純三賞・アジア太平洋賞特別賞をそれぞれ受賞。著書に『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書)、『近代中国史』(ちくま新書)、『中国の論理 歴史から解き明かす』(中公新書)、『叢書東アジアの近現代史 第1巻 清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』(講談社)など多数。
キャリア決済のお申し込み
フォーサイトのお申し込み
クローズアップ
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top