「JIC」vs.「経産省」で露呈した「霞が関の本音」

執筆者:磯山友幸 2018年12月14日
エリア: 日本
10 日、JICの民間役員が総退陣する異常事態に、記者会見を行った田中正明社長 (C)時事

 

 6年に及ぶ第2次以降の安倍晋三内閣で間違いなく最大の失策だろう。

 官民ファンドの「産業革新投資機構(JIC)」と経済産業省の対立が決定的となり、12月10日にJICの民間役員が総退陣する異常事態に陥った。取締役として残るのは経産省と財務省の出身者2人だけとなり、JICは空中分解の危機に直面している。

「手のひら返し」に怒り

 JIC設立の理念は、日本にイノベーションを起こすためのベンチャー投資などを行う「世界レベルの政府系リスクキャピタル投資機関を作る」というものだった。それに賛同した日本を代表する金融人や経営者、学者が経営陣として集まった。ところが発足後、政府の「手のひら返し」に直面、それに怒った田中正明社長ら民間取締役9人全員が辞表をたたきつけた。

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執筆者プロフィール
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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