「人手不足」と外国人 (32)

ブータン留学生の「自殺」が暴いた「深く暗い闇」(下)

執筆者:出井康博 2019年1月21日
エリア: アジア
昨年12月に福岡で自殺したソナム君が住んでいたアパート(筆者撮影)

 

 最近になって法務省入国管理局は、留学生の違法就労に対する監視を強めている。出稼ぎ目的の“偽装留学生”が、あまりにも急増したからだ。

 そんななか、1人のブータン人女子留学生が槍玉に挙げられた。「週28時間以内」を超える就労が入管当局に見つかってしまったのだ。

〈どうか私の心情を理解してください〉

 日本語学校に在籍する留学生は来日時、6カ月から1年3カ月有効のビザを得ているケースが多い。そのため通常1年半から2年に及ぶ在籍中、ビザを更新する必要が生じる。その際、申請先となる入管当局が女子留学生の違法就労を突き止め、ビザの更新を拒んだ。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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