風が時間を
風が時間を (35)

まことの弱法師(35)

執筆者:徳岡孝夫 2019年3月30日
エリア: 北米

 私が留学したのは1960年、ジョン・F・ケネディが大統領に当選した年だった。

 共和党リチャード・ニクソンにはすでに副大統領7年の実績がある。当時の国際問題の最重要テーマは「その大統領はソ連のフルシチョフと対等に交渉できるか」だった。民主党のケネディ候補はマサチューセッツ州選出の上院議員でカトリック教徒、ケネディ一家は金持ちだが国際政治を動かす実績はなかった。

 一方の共和党のニクソンはモスクワで開かれたアメリカ博に米代表として行き、会場で米ソ両国民の家庭電化についてフルシチョフ首相と議論したことがある。形勢は伯仲していた。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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