【著者対談】「大国の周縁」から見た地政学
北岡伸一『世界地図を読み直す 協力と均衡の地政学』(新潮選書)
池内 北岡先生の本で面白いと思ったのは、中国やロシアなど大陸国(ランドパワー)の周縁を丹念に回り、現地の視点から地政学を捉え直している点です。
第一章に出てくる極東ロシアのウラジオストクには、じつは私も同行しました。
北岡 そうそう、ウラジオで池内さんが迷子になって……(笑)。
池内 私がトイレに行っている間に、みんながさっさと車に乗って会議場に出発してしまった(笑)。でも、会議の相手のロシア科学アカデミーが若いロシア人の研究者を迎えに来させて、オンボロの自家用車で来てくれて、おかげで車内で率直な意見交換ができました。このような予想外のハプニングから、意外な情報やアイディアが得られたりするので、実際に自分の足で世界を回ることは、研究者にとって大切なことだと思います。

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